牡羊の歌と雌羊の国

好きなもの、趣味、備忘録、雑記のブログ。

読書再開のきっかけ レインツリーの国

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したじきと申します。

小さい頃から本が好きでした(ように思う)。


小学生の頃に学校の図書室や町の図書館で「かいけつゾロリ」を夢中で読み、本を読む楽しさに目覚めたのかと思い返したりしましたが、
私の周りも「かいけつゾロリ」はこぞって読んでいたので、特に目覚めたとか言う訳でもないのかもしれません。

本の中でゾロリ、イシシ・ノシシが動き回る様子を追っかけていくのは心躍る体験でした。


私の住んでいた地域はとても田舎で、
上で図書館と書いたもののそういうものはなく、
家から離れた場所に町が運営している文化センター(本が置いてあったり、ビデオが観られたり、それらの貸し出しがあったり、みんなで集まって習い事をしたりするような場所)と言う施設があり、
家からそこにクルマで30分くらいかけて行かなければならない地域でした。

今もあるのか分かりませんが、青空文庫(ふれあい文庫?)と言って本を大量に積んだハイエースみたいなバンが月に1度音楽を流しながら地域を回り、本の貸し出しをしてくれる取り組みもありました。
音楽が聞こえてくると狙いの本を借りるためにダッシュ!みたいなことをしていました。

友達の家も遠くて、あまり頻繁に遊ぶことができなかったのも読書が好きになった理由の1つだと思います。

そんなこともあり、マンガや本(当時の自分は小説なんて言葉を知らない)問わず、文字を読むことは好きでした。



母の影響もあるかもしれません。

私の母は小説が専門でしたが、ずっと本を読んでいたり出先で携えているカバンにも小説が入っている人で、母が良く読んでいた宮部みゆきさんの作品は私も大好きな作品が多いです。

中学生の頃、朝の朝礼後の時間に「読書の時間」と言う15分間読書をする時間があり、そこでは「ブレイブ・ストーリー」を夢中になって読んでいました。
これはまたの機会に感想を書こうと思います。
(中学生には重い内容でした) 



レインツリーの国」に話を戻します。

レインツリーの国 (角川文庫) | 有川 浩 |本 | 通販 | Amazon  


社会人になって立ち寄った本屋で、空に紙飛行機が浮かんでいる表紙を見かけて手にとり読み始めたのがきっかけです。
レインツリーの国」は文庫本を2冊持っているのですが(1冊はサイン本で大切に保管しています)、その時に買ったのは角川文庫の方。

キャンペーンか何かをやっていて、魅力的なキャッチコピーが帯に書かれていたような気もします。(カドフェスとか当時にあったのかは不明)

そんなきっかけで読み始めたけれど、すごく引き込まれてその日の内に読み切って、以降有川浩さんは好きな作家さんの1人になります。



ネタバレにならない程度に内容に触れると、主人公の2人である「伸(しん)」と「ひとみ」がインターネットのウェブサイトを介してつながり、
文章でお互いのことを少しずつ知りながら関係を深めていきます。

その後2人は実際に会うことにして、会ってからも関係を深めていこうとするもどこか2人のテンポ、歯車が合わずーーー
と言う感じです。



全体を通して目次のタイトルが素晴らしく(本当に有川さんすごいと思う)、そして主人公2人がやりとりする文章、紡がれていく言葉が本当に素敵。

文章ゆえに、2人の始まったスタート地点がゆえに、つながりの弱さや儚さが感じられ、目に見えるものや積もって残っていくものに憧れのような感情がありました。

自分がこんな風にブログを書こうと思ったのも絶対にその影響はありそうです。



話の中にも似たような件があるのですが、この小説はあくまで架空のお話で、しかし登場人物の伸やひとみが自分の友人であるように感じるのです。
まるで電話帳の中に名前があって、LINEの友だちリストにいたり、Instagramで普段の投稿が見られるんじゃないかと言う親近感を。


いつ読んでも、何度読んでも心にすっと沁みわたる、そんな小説。
そんな小説に出会えたからなのか、この本を読んだ以降また本に日常的に触れるようになりました。

だから大切な本の紹介をブログの最初の記事にしようと決めていました。



今日は3月9日。

レミオロメンの曲がずーっと頭で流れています。
歌詞の中で「流れる季節の真ん中で」とありますが、初めてレインツリーの国を読んでから6年程が過ぎようとしています。


時間の流れは本当に早いですね。


それではまた。