牡羊の歌と雌羊の国

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バチスタの衝撃

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したじきと申します。

小説のジャンルではミステリーのジャンルが好きで、特に社会人になってからの読書はほとんどこのジャンルのものを読んでいます。

学生時代に友人から伊坂幸太郎さんの本を勧められて、当時出ていた作品を一気に買って読んだりしていました。
最近の(と言っても少し前のものですが)だと「ホワイトラビット」を読みました。
またこの感想についても折を見て書こうと思います。


避けていた、嫌っていたわけではないのですが、これまで海堂尊さんの作品に触れることがありませんでした。

友人に勧められて「チーム・バチスタの栄光」を借り、読んでみました。

メディアミックスされているので映画やドラマの情報を見たことがあり、なんとなく医療関係の話と言うことを知っている程度でした。
(メディアミックスされているものも全てノータッチ)




前情報なしで読み始め、まずその精緻さに驚きました。


チーム・バチスタの栄光 | 海堂 尊 |本 | 通販 | Amazon
Amazonでもとても評価高いですね。。。

 

医療関係の用語や病院の仕組みなどの話に言及した際、どうしてこんなに正確(私は素人なのでそう思った)なんだろうと。
後で作者の方が現役の勤務医であることを知った時に「ああなるほど」と理解できました。かと言ってその用語たちを知らなくても楽しめるのです。



まず、登場人物が話すしゃべりが面白い。

会話のテンポがとても良くて内容もウィットに富んでいるものが多く、良い意味で伊坂幸太郎さんの作品と似ているなと感じました。(伊坂さんの作品はキャラクターとそのキャラクターが話しているシーンがとても好きです)

 

会話の終わり方もとても好き。

実際にこうやって会話終えられるとモヤッとしたり、不完全燃焼な感じがするんだろうなと思いつつも、仰々しい海外のドラマを観ているような感覚です。(褒めてます)

作者の方は普段こんな会話が繰り広げられている日常にいるのかな…なんて思ってしまいます。(病院って言う世界が分からないので可能性は0ではないですよね)


次に登場人物。キャラクター。

 

人物と会話だと本来先に来るのは人物となのかもしれませんが、過去読んだ本で私が好きな作品は、会話の面白さ=キャラクターの良さの式は成り立っていないものもあったのでこの順に。

主人公の田口公平みたいな生き方に憧れてしまいます。
田口とタッグを組む白鳥のウザさもとても良かったですね。

田口とタッグ、こう書くと内容の主従関係とは違ってしまう気もします。そんなめちゃくちゃなところもとても良かったです。
(シリーズものであることを知り、キャラクターが好きになれたことは良かったなと思いました)


他にも魅力的なキャラクターがたくさんいます。興味をもっていただけたら是非読んで欲しいと思います。



そして主軸となるミステリー。
ミステリーって読んでいくうちに結末を予想してしまったり、結末に気づいた上で読み進める時ってあると思うのですが、この作品のミステリー部分は最後まで分かりませんでした。 

 

そして謎が分からなくても会話で楽しく読めてしまうし、分かった上での結末にそう来たかーとなります。医療関係故のと言う感じではありましたが、見事な結末のお披露目に思わずうなりました。

 

 

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Bravo!(読んだら言いたくなりますよ!)



こんなにミステリーとして気持ちの良い読後感は久しぶり。

読んだその日に勧めてくれた友人に連絡を入れ、面白かったポイントを話したりするのがとても楽しいかったです。
系列である「ナイチンゲールの沈黙」と「ジェネラル・ルージュの凱旋」を続けて借りることができました。少しずつ読んでいます。


この後も続く、田口・白鳥コンビの物語がとても楽しみです。



それではまた。